パーソナルトレーニングジム「Sharez」を運営している岡崎秀哉です。
2017年後半以降、「トレーナー」という立ち位置から「起業家」という立ち位置で動いてきました。
ここまでの時系列を辿ると以下のような感じです。
- 2017年中盤:弊社伊藤と練ったアイデア構想 → 当時は食事管理領域のサービス
- 2017年後半:投資家や起業家にアイデアをプレゼン → 壁打ちにて滅多打ちになる
- 2017年後半:ピボット → ヘルスケア従事者向け学習サービス
- 2018年前半:NewsPicks起業家グランプリファイナル選出 → 400社近くから12社
- 2018年中盤:ASAC第6期選出 → 140社近くから10社
- 2018年中盤:ASACにてボコボコに根本から見直される
- 2018年後半:ピボット → 修行僧サービス
- 2018年後半:ピボット → シェアリング系サービス
大きなピボットが3回、その中でも小さなピボットは多数ありました。特にASACに選出されてからのピボットは大きなものでした。
アクセラレータープログラムとは
「アクセラレータープログラム」について馴染みがない方もいると思うので説明すると、選出されたスタートアップ企業を大手企業などが支援し、成長を加速させる、みたいなプログラムです。
選ばれた会社、起業家は大手企業の方のアドバイスや人脈を駆使し、事業を固め、広げていくわけです。
「ASAC」は東京都と、コンサルティング大手デロイトトーマツ社が5ヶ月間、支援してくれるアクセラレータープログラムです。
参考 アクセラレータープログラムデロイトトーマツ社のアクセラレーターの方々はコンサル会社だけあり、ビシバシ意見やアドバイスをくれます。それ以外に多くの外部の著名な方を招いた勉強会などがあります。
僕が選出された第6期はシード期特化なので、主に事業アイデア、ビジネスモデルに対して、仮説検証を行なったり、データ分析をし、ビジネスの根幹を固め、β版などをリリースする、プレスリリースを打つなどといったものがゴールとなります。
採択された6月から、まず行なったのは、「課題の再検証」でした。
一部例外はありますが、起業をするという場合、基本的には顕在化している課題に対してまだないソリューションを作っていく必要があります。
シンプルにいうと「これがしたい!」「稼ぎたい!」というよりも、「こういう課題に対して、こういう解決策で解決したい!」「その課題に対してそれなりのスケールがある」というのがスタートアップということです。
当時はヘルスケア従事者向けの教育サービスを作っており、その事業でNewsPicksにも選出され、事業投資としても数百万を既に投じていた僕は、いつの間にか、「課題」よりも、「ソリューション」に目がいってしまっていたのでしょう。
再度課題の検証の為に、トレーナー陣にアンケートをとったところ、課題の部分が甘いことが判明したのです。夜な夜な考えを巡らしたりもしました。
そこで8月にはピボットしました。アンケートにより見えてきた課題に対して刺さりそうなソリューションを考えました。まだここではソリューションは仮説に過ぎません。
8月後半には本当にそのソリューションが良いのか、仮説検証を開始。モニターの方を募集し、ヒアリングしながらサービスを固めていきました。そして、10月には最終的にプレゼンまで辿り着きました。
何とか「GMOペイメントゲートウェイ賞」というスポンサー賞を受賞できました。
デロイトトーマツの方々に毎週、アドバイスやフィードバックをもらい、時にはキレられ、同期の起業家メンバーにフォローしてもらったり、Sharezメンバーに協力してもらったり。
2017年中盤から伊藤と新規事業に動き出し、ある程度いけそうだというモノが見えるまで、1年かかりました。パーソナルトレーナーとしてそれなりにやってきて、ジムも2店舗出店し、色んな会社にも携わってきましたが、ゼロから良い事業というのは、そんな簡単に生み出せないんだなと痛感しました。
(まだ全然課題だらけなのですが)
そして、世の中の多くの事業が仮説段階でスタートしたり、ソリューションドリブンでスタートし、たまたまうまくいったり、属人性でうまくいったり、失敗もしているんだ、と認識しました。
そもそも、僕自身がこれまでやってきたジムを大きくしていく、という事よりも優先的に、こういった新しい動きを取ろうと思ったのは、いくつか意図がありました。
- 伊藤がジョインし、絶対に新しいビジネスが作れると思ったこと
- 「フィットネス×スタートアップ」、あるいは「トレーナー×スタートアップ」という領域がまだ空いているということ
- 長期的にみて、Sharezにとってプラスしかないと思ったこと
- スタートアップ界隈の人、雰囲気が面白いこと
- フィットネス業界でイノベーションが起こっていないこと
- スタートアップにおける資金調達、エグジット、お金周りの動きが活発であること
上記のようなポイントからでした。
アクセラレータープログラムを終えて
実際にやってきて、現時点での率直な感想を書き出すと、
- 何かしらの形を残せた事は非常に価値があった(NewsPicks出演、ASAC入賞)
- スタートアップ的に事業を立ち上げる事は想像以上に難しい(数回のピボット)
- 世の中のお金は余っている(投資したい人、会社はたくさんある)
- 何かを生み出すには環境が極めて重要(NewsPicks、ASACという環境)
次の課題はピボットしまくって動き出した新しい現在の事業をどうグロースしていくかです。
その為の課題は、
- メンバーの巻き込み
- 既存事業の安定化
- 岡崎の外交
初めてアクセラレータープログラムというものの中で動いたわけですが、僕は仕事をしている感覚ではなくなっていました。(今までも結構それに近いのですが)
業界は違えど、同じように熱い想いを持って事業を作ろうとする仲間と、そんな起業家を支援するアクセラレーター、外部メンター。部活や学園祭と感覚は似ているかもしれません。
日々ダメ出しをされていましたが、キツいという感覚は全くありませんでした。
(そういったことを望んでいっているので当然なのですが)
それどころか、学びしかありませんでした。僕はこれまで「自分ができそうな事業」をやってきていたのだなと。
アンケートをとったりして、ユーザーや潜在層の声を聞くと、これまで知ったつもりになっていた課題が明確になったり、新たな課題が見えたり、これは解決したいなと心から思えたり。事業に対する見え方はかなり変わりました。
是非フィットネス業界の方、チャレンジしてみることをオススメします!