フィットネス業界カオスマップ2023【最新情報】

フィットネス業界カオスマップ2023【最新情報】

パーソナルトレーニングジム「Sharez」代表の岡崎秀哉です。

毎年恒例になっております「フィットネス業界カオスマップ」の「2023年度版」を作成しました。

昨年度(2022年度)の「フィットネス業界カオスマップ2022」の情報と比較しながら、昨今のフィットネス業界の動向についてまとめています。

フィットネス業界の全体像をつかめる内容となっておりますので、「フィットネス業界で活動されている方、フィットネス業界に興味のある方」は、ぜひチェックしてみて下さい。

フィットネス業界カオスマップとは?

フィットネス業界は、市場規模で「5,000億円程の市場」と言われていますが、上場していたり、売上や会員数などの数値を公開している企業が少ないので、今回は売上規模や会員数ではなく、店舗数が多い順に主要な企業やブランドを選定しました。

カテゴリーは、以下のように分類しています。
※各カテゴリーのピックアップ数は、個人的な判断で「主要だと思われる企業、サービス」で数を決めておりますので、抜けなどはご了承ください。

  • 総合型フィットネスクラブ
    「ジム、スタジオ、プール、スパ(お風呂)」の4点が揃った大型のジム。会員数2,000人以上の規模です。
  • 24時間ジム
    ジムのみで24時間営業のもの(「シャワー、ロッカー、更衣室」はありますが、「スタジオ、プール、スパ(お風呂)」などはありません)。
  • オンラインフィットネス
    PCやスマホを使って、ジムに行かずとも自宅やオフィスにいながら、オンラインでヨガを中心とした様々なエクササイズやレッスンを受講できるサービス。「集団で受けるもの、マンツーマンのもの、食事指導もセットのもの」などがあります。
  • フィットネス系マッチング・シェアリング・SaaS
    「ジムと顧客、ジムと人材」などのマッチングサービスや、時間貸しで使えるレンタルジムなどのシェアリングサービス、「会員管理や売上管理、予約管理、電子カルテ管理など」ができるフィットネス系SaaSがあります。
  • パーソナルトレーナー・インストラクター育成スクール
    未経験からトレーナーになるためのカリキュラムを学べるトレーナー育成スクール、同じく様々なエクササイズの指導ができるようになるインストラクター養成スクールなどがあります。
  • ヨガ・ピラティススタジオ
    「ヨガ、ホットヨガ、マットピラティス、マシンピラティス」などを行うスタジオです。
  • コンセプト型スタジオ
    「暗闇フィットネス、ストレッチ、高齢者向けフィットネス、女性向けフィットネス、低酸素、EMS、加圧、サーキットトレーニング、サーフフィット」などの特徴的なコンセプトを持つスタジオです。
  • パーソナルトレーニングジム
    マンツーマンでトレーニング指導をするジム。「短期集中型、継続型(都度払い・回数券)、継続型(サブスクの通い放題)」の3つのタイプがあります。

フィットネス業界カオスマップ2023

フィットネス業界カオスマップ2023【最新情報】

各カテゴリーについて、近年の傾向や状況に対する見解を述べていきたいと思います。

総合型フィットネスクラブ

総合型フィットネスクラブカテゴリー

総合型フィットネスクラブは、バブル期〜平成初期に多く出店され、ピーク時は恐らく全国に「2,000店舗」以上あり、日本のフィットネス市場の主戦場となっていたカテゴリーです。

しかし、2020年〜2023年までの総合型フィットネスクラブの大手の店舗数の推移を見てみると、以下のように増えていない状況です。
※表の上段の数値は「総合型の施設(ジム、スタジオ、プール、スパの4点が揃った店舗)の店舗数」、下段のカッコ内の数値は「総合型の施設の店舗数に、4点が揃ってない店舗(ジムとスタジオのみなど)も含めた店舗数」です(公共施設のジムなどの運営受託施設も含む)。

ブランド名 2020年度
調査時
2021年度
調査時
2022年度
調査時
2023年11月
調査時
Konami Sports Club
(コナミスポーツクラブ)
180店舗
(383店舗)
151店舗
(データなし)
145店舗
(データなし)
138店舗
(385店舗)
RENAISSANCE
(ルネサンス)
103店舗
(129店舗)
102店舗
(133店舗)
106店舗
(129店舗)
105店舗
(167店舗)
HOLIDAY
(ホリデイ)
データなし
(97店舗)
データなし
(101店舗)
データなし
(100店舗)
95店舗
(102店舗)
CENTRAL SPORTS
(セントラルスポーツ)
データなし
(244店舗)
133店舗
(242店舗)
データなし
(226店舗)
94店舗
(224店舗)
AXTOS
(アクトス)
データなし
(195店舗)
48店舗
(データなし)
データなし
(183店舗)
50店舗
(175店舗)
スポーツクラブNAS
(スポーツクラブナス)
データなし
(91店舗)
60店舗
(データなし)
データなし
(90店舗)
47店舗
(85店舗)
TIPNESS
(ティップネス)
61店舗
(75店舗)
60店舗
(データなし)
51店舗
(データなし)
47店舗
(50店舗)
東急スポーツオアシス データなし
(50店舗)
データなし
(36店舗)
データなし
(32店舗)
28店舗
(31店舗)
MEGALOS
(メガロス)
データなし
(49店舗)
22店舗
(42店舗)
データなし
(44店舗)
24店舗
(45店舗)
COSPA
(コ・ス・パ)
データなし
(64店舗)
24店舗
(データなし)
データなし
(30店舗)
21店舗
(31店舗)
Jexer
(ジェクサー)
データなし
(45店舗)
17店舗
(36店舗)
17店舗
(データなし)
18店舗
(34店舗)
GOLD GYM
(ゴールドジム)
データなし
(98店舗)
データなし
(102店舗)
データなし
(114店舗)
9店舗
(112店舗)

※表の上段の数値は「総合型の施設(ジム、スタジオ、プール、スパの4点が揃った店舗)の店舗数」、下段のカッコ内の数値は「総合型の施設の店舗数に、4点が揃ってない店舗(ジムとスタジオのみなど)も含めた店舗数」です(公共施設のジムなどの運営受託施設も含む)。

総合型フィットネスクラブが伸び悩んでいる原因

総合型フィットネスクラブが伸び悩んでいる原因としては、以下が考えられます。

  • 様々なジムやスタジオが増え、フィットネスの選択肢が増えたこと
  • 24時間ジムなど低価格帯のジムが増えたこと
  • 高齢者向けのスタジオが増えたこと(カーブス)

2023年を振り返ると、「パーソナルトレーニングジム、24時間ジム、ピラティススタジオ」カテゴリーの店舗数が増えており、いろんなサービスが受けられる総合型フィットネスクラブよりも、フィットネスに興味ある方は「目的にダイレクトで専門性の高いもの」を選択している傾向が見られます。

また、「GOLD GYM(ゴールドジム)」の店舗数の増加が止まっている点に注目です。これは「GOLD GYM(ゴールドジム)」に近いスペックを備え、なおかつゴールドジムより安い金額で利用できる24時間ジムが登場したことが影響していると考えられます。

「GOLD GYM(ゴールドジム)」は、スタジオやタンニングマシンがあったり、プロテインサービスがあるなど充実していますが、「しっかりトレーニングだけできれば良い」という客層にとっては、ハードなトレーニングができる低価格の24時間ジムに移籍した方がメリットがあります。

そして、高齢者向けのスタジオ「Curves(カーブス)」は、コロナで減少した会員数が、2023年末には80万人を超えるほどに戻ってきているデータを見ると、高齢者の方は「総合型フィットネスクラブよりも、より近所にあり、低価格で同じ世代が集まっているCurves(カーブス)を選択しているのではないか」と考えられます。

総合型フィットネスクラブの事業の多角化

昨年度の記事でも紹介しましたが、上記の流れを受けて、総合型フィットネスクラブをメインとしていた企業・ブランドは、総合型フィットネスクラブの事業1本勝負ではなく、別事業をスタートしています。

「Konami Sports Club(コナミスポーツクラブ)」は、2021年からピラティス事業「Pilates Mirror(ピラティスミラー)」をスタートしており、昨年度(2022年度)の調査時は「5店舗」でしたが、2024年1月調査時点では「23店舗」に増えています。

さらに、「Konami Sports Club(コナミスポーツクラブ)」は2024年4月に、30分集中のパーソナルトレーニングジム「Personal 30 by Konami Sports」をオープン予定とのことです。

「RENAISSANCE(ルネサンス)」は、2022年以降アウトドアフィットネスの事業をスタートし、様々な施設を展開・プロデュースしています。昨年度(2022年度)の調査時は「5施設」展開していましたが、2024年1月調査時点では「29施設」となっています。

「TIPNESS(ティップネス)」は、24時間ジム「FAST GYM24」を昨年度(2022年度)時点で100店舗以上展開していましたが、こちらは店舗数がやや減少しており、成長が停滞しています。

「MEGALOS(メガロス)」は、2022年8月からパーソナルトレーニングジム「towaka」をスタートしており、2024年1月調査時点では「3店舗」に増えています。

24時間ジム

24時間ジムカテゴリー

2021年10月に1号店を出店し、2022年度に急成長した「chocoZAP(チョコザップ)」は、2023年度も引き続き大躍進しています。店舗数は1,000店舗を超え、会員数は100万人越えを達成している状況です。

フィットネス施設の会員数では、2022年度までは、24時間ジムカテゴリーの「ANYTIME FITNESS(エニタイムフィットネス)」や高齢者向け(女性向け)カテゴリーの「Curves(カーブス)」が約80万人でトップでしたが、本年度(2023年度)に「chocoZAP(チョコザップ)」が一気に抜き去り、日本で最も会員数が多いジムとなっています。

「chocoZAP(チョコザップ)」の勢いには負けますが、24時間ジムカテゴリーの2番手となった「ANYTIME FITNESS(エニタイムフィットネス)」も順調に成長しています。

また、著名フィットネスYouTuberの山澤さんが展開する「FIT PLACE24(フィットプレイス24)」がFCで一気に店舗数を増やしてきています。

一方、総合型フィットネスクラブ大手の「TIPNESS(ティップネス)」が展開する24時間ジム「FAST GYM24(ファストジム24)」は、「2022年の111店舗」から、「2023年は93店舗」と18店舗減少しています。

ブランド名 2020年度
調査時
2021年度
調査時
2022年度
調査時
2023年11月
調査時
chocoZAP
(ちょこざっぷ)
データなし 532店舗 1,145店舗
ANYTIME FITNESS
(エニタイムフィットネス)
800店舗 924店舗 1,071店舗 1,100店舗
JOY FIT24
(ジョイフィット24)
268店舗 214店舗 207店舗 208店舗
WORLD+GYM
(ワールドプラスジム)
126店舗 116店舗 143店舗 152店舗
FIT EASY
(フィットイージー)
55店舗 85店舗 126店舗 146店舗
FiT24
(フィット24)
45店舗 78店舗 128店舗 120店舗
FIT365
(フィット365)
61店舗 83店舗 91店舗 97店舗
Fast Gym24
(ファストジム24)
112店舗 110店舗 111店舗 93店舗
RENAISSANCE24
(ルネサンス24)
33店舗 46店舗 68店舗 63店舗
HYPER FIT24
(ハイパーフィット24)
50店舗 59店舗 62店舗 61店舗
FIT PLACE24
(フィットプレイス24)
データなし 48店舗
スマートフィット100 36店舗 39店舗 46店舗 47店舗
ASSIST24
(アシスト24)
26店舗 31店舗 43店舗 47店舗
MIRA fitness
(ミラフィットネス)
データなし データなし データなし 41店舗

2023年度現在、日本には4,000店舗ほどの24時間ジムが存在すると考えられますが、まだまだ業界全体としては店舗数が増えている状況です。今後、どう顧客を定着させるかが課題になってくると思います。

24時間ジムの月会費(値段)の変動

そんな中、プロテイン販売で有名な「VALX社」が運営する24時間ジム「VALX GYM(バルクスジム)」が、2023年10月に月会費の値上げを発表しました。
※「VALX GYM(バルクスジム)」は、上記のジムより店舗数が少ないため、カオスマップには掲載しておりません。

「より良い店舗運営、サービス提供のために」とのことでしたが、どんどん安い24時間ジムが増え、価格競争になってきていたタイミングだったので、値上げは印象的でした。

私自身の感覚としても、「月会費3,000円と安いけど混みすぎていて清掃が行き届いていないジム」よりも、「月会費6,000円で混みすぎておらず、清潔感が保たれているジム」の方が通いたいと感じたりするので、値段も今後さらに動きがあるのではないかと推測しています。

オンラインフィットネス

オンラインフィットネスカテゴリー

オンラインフィットネスはコロナ期に多くの企業が参入し、2020年や2021年は資金調達や会員数等のニュースも多く出ていましたが、2022年以降は特に目立ったリリースがなく、市場は大きく成長していない様子です。

資金調達額から見ると、「SOELU(ソエル)」(2021年時点で総額約15億)、「LEAN BODY(リーンボディ)」(2021年時点で総額約5億)が主要プレイヤーであることに変わりは無さそうですが、2021年以降の会員数などの動向が見えづらい状況です。

コロナが落ち着き、「24時間ジム、パーソナルジム、様々なコンセプトスタジオなど」が以前にも増して出店される中、「オンラインフィットネスの必要性」や「オンラインならではの良さ」をどう伝えていくかが、市場全体の課題になりそうです。

オンラインフィットネスカテゴリーのその他の情報としては、以下などがあります。

おうちでカーブス

女性専門フィットネス「Curves(カーブス)」も、オンラインサービス「おうちでカーブス」を展開しており、2024年1月の決算発表でオンライン会員が6万人に達したと発表しています。

CLOUD GYM(クラウドジム)

オンラインパーソナルトレーニングサービスの「CLOUD GYM(クラウドジム)」は、著名フィットネスYouTuberのぷろたんを広告塔として起用するなど、積極的にPRしている印象があります。

オンラインの食事指導サービス

オンラインの食事指導サービスとして代表的なものは、2019年にリリースされた「Tabegram」と、2021年にリリースされた「CHONPS(チョンプス)」などがあります。

「CHONPS(チョンプス)」は、2023年12月時点で「累計指導実績10,000人突破、累計登録栄養士890人突破」と成長してきています。

マッチング・シェアリング・SaaS

マッチング・シェアリング・SaaSカテゴリー

マッチング

マッチングカテゴリーは、以下の3種類のサービスがあります。

  • パーソナルトレーニングジムとお客様をマッチングするサイト
  • ジム(総合型、スタジオなど含む)とお客様をマッチングするサイト
  • パーソナルトレーナーとお客様をマッチングするサイト

パーソナルトレーニングジムとお客様のマッチングするサイトでは、「Work Out Navi(ワクナビ)」「Getfit(ゲットフィット)」「DIET CONCIERGE(ダイエットコンシェルジュ)」が、いずれも掲載するのに有料であるにも関わらず、1,000店舗以上掲載されています。

検索順位においても、こういったまとめサイトが上位に位置しているので、需要は引き続きあると考えられます。

ジム(総合型、スタジオなど含む)とお客様をマッチングするサイトでは、いずれもフィットネス施設の増加に伴い、掲載が増えている状態です。

その中でも「Fit Map(フィットマップ)」を運営している株式会社FiiTは、2020年に「Fit Map(フィットマップ)」サイトをスタートさせた後に、2021年にパーソナルトレーニングジム「ダイエットパートナー」を展開しており、2023年12月時点で80店舗と急成長を遂げています。

ジム側とお客様側の両面の声を聞くことができるマッチングサイトを運営していることで、培ったノウハウを活かしたジム展開ができるので、今後の成長も期待できます。

パーソナルトレーナーとお客様をマッチングするサイトでは、「Zehitomo(ゼヒトモ)」のトレーナー登録が増加しています。

私の知人のフリーランストレーナーも、「全くお客様ゼロの状況から、Zehitomo(ゼヒトモ)を利用してお客様を増やしている」とのことで、集客に繋がっている事例も聞きます。

【マッチング】パーソナルトレーニングジムとお客様をマッチングするサイトの店舗掲載数
サイト名 2020年度
調査時
2021年度
調査時
2022年度
調査時
2023年12月
調査時
FiND Personal GYM
(ファインドパーソナルジム)
データなし データなし 3,500店舗
(※1)
3,500店舗
(※1)
パーソナルトレーニングナビ データなし データなし データなし 2,360店舗
SEARCH GYM
(サーチジム)
データなし データなし データなし 2,107店舗
みんなのパーソナルトレーニング データなし 700店舗
以上
1,000店舗
以上
1,245店舗
Work Out Navi
(ワクナビ)
データなし 1,000店舗
近く
1,044店舗 1,091店舗
Getfit
(ゲットフィット)
データなし 1,100店舗
以上
1,328店舗 1,074店舗
DIET CONCIERGE
(ダイエットコンシェルジュ)
データなし 900店舗
以上
1,070店舗 1,053店舗
RE NOW
(リナウ)
データなし データなし データなし 1,000店舗
以上

(※1)「FiND Personal GYM(ファインドパーソナルジム)」は、パーソナルトレーニングジム以外の、パーソナルトレーニングが受けられる施設も含む。

【マッチング】ジム(総合型、スタジオなど含む)とお客様をマッチングするサイトの店舗掲載数
サイト名 2020年度
調査時
2021年度
調査時
2022年度
調査時
2023年12月
調査時
Asreet
(アスリート)
データなし データなし 18,464店舗 19,118店舗
FIT Search
(フィットサーチ)
データなし データなし 11,096店舗 12,550店舗
Fit Map
(フィットマップ)
データなし データなし データなし 8,300店舗
以上
オトコロドットコム データなし データなし データなし 6,447店舗
【マッチング】パーソナルトレーナーとお客様をマッチングするサイトのトレーナー掲載人数

以上

サイト名 2020年度
調査時
2021年度
調査時
2022年度
調査時
2023年12月
調査時
Zehitomo
(ゼヒトモ)
データなし データなし 3,095人 3,607人
マイトレ データなし データなし データなし 1,000人
以上
TORETASU
(トレタス)
データなし データなし 423人 490人
PERSONAL TRAINERS
(パーソナルトレーナーズ)
データなし データなし 359人 368人
トレなび データなし データなし 805人
(サイト閉鎖)

シェアリング

シェアリングカテゴリーは、以下の2種類のサービスがあります。

  • レンタルジムやセルフトレーニングジムの検索サイト
  • レンタルジムやセルフトレーニングジム専用のジム

レンタルジムやセルフトレーニングジムの検索サイトでは、「THE PERSON(ザパーソン)」「ジムカリ」の掲載数が増えています。

個人事業としてパーソナルトレーナーをする人が増えており、自らジムを出店するのではなく、レンタルジムを活用するケースが増えている様子です。

また、コロナをきっかけに「個室の空間で人と接することなく運動したい」という需要も生まれ、セルフトレーニングジムとしての活用も増えてきました。

シェアリングのジムは、レンタルジムやセルフトレーニングジム専用として運営されているジムもあれば、パーソナルトレーニングジムの空き時間をシェアリングのジムとして貸し出しているパターンもあります。

利用料としては、都内中心部で「1時間2,000〜3,000円」ほどが相場です。

レンタルジムやセルフトレーニングジムの専用のジムでは、「ミライトジム」がレンタルジムとして2017年からスタートしており、都内を中心に17店舗を展開しています。

また、「ハコジム」がセルフトレーニングジムの代表格であり、2017年にスタートし、2023年12月時点で28店舗展開しています。

【シェアリング】レンタルジムやセルフトレーニングジムの検索サイトの店舗掲載数
サイト名 2020年度
調査時
2021年度
調査時
2022年度
調査時
2023年12月
調査時
THE PERSON
(ザパーソン)
データなし 750店舗 1,100店舗 1,100店舗
ジムカリ 300店舗 488店舗
Nupp1
(ナップワン)
データなし 300店舗 300店舗 273店舗
【シェアリング】レンタルジムやセルフトレーニングジム専用のジム
ブランド名 2020年度
調査時
2021年度
調査時
2022年度
調査時
2023年12月
調査時
ハコジム データなし データなし データなし 28店舗
ミライトジム データなし データなし データなし 17店舗
BODY R GYM データなし データなし データなし 16店舗
SKY データなし データなし データなし 9店舗
LIVERTH ONE データなし データなし データなし 8店舗
Selfit データなし データなし データなし 7店舗
rep24 データなし データなし データなし 6店舗
PREFIT24 データなし データなし データなし 5店舗
Rainbow GYM データなし データなし データなし 3店舗
WorkoutGym ZOO データなし データなし データなし 2店舗

SaaS

フィットネス系のSaaSとしては、「会員管理システム、予約管理システム、決済サービス、電子カルテ管理サービス」などがあります。

現場で使われているサービスは、カオスマップにピックアップしたブランド以外にもたくさんありますが、今回は特に「フィットネスに特化したもの、フィットネス関係に積極的に広げているもの」を中心に選定しました。

その中でも、会員管理システム「hacomono(ハコモノ)」が急成長しており、2023年4月には約40億円の資金調達を達成しています。

その他の会員管理システムとしては、「STORES(ストアーズ)」や「会費ペイ」などが、フィットネス業界向けのオンラインセミナーなどを積極的に開催しており、フィットネス事業者との繋がりを増やしている様子です。

今後は、「会員管理や売上管理、予約管理」ができるだけでなく、それらのデータを元に、「入会率の改善、退会率の低下」など顧客満足度を高めていくところまでアプローチできるサービスが出てきそうです。

電子カルテ管理サービスは、お客様のトレーニングデータや体組成のデータなどを管理できるサービスで、2019年に「CLIMB TR」がリリースされ、2023年には「Kaloko」もリリースされました。

ブランド名 2020年度
調査時
2021年度
調査時
2022年度
調査時
2023年12月
調査時
STORES
(ストアーズ)
データなし データなし データなし 15万店舗以上
(フィットネス施設以外も含む)
会費ペイ データなし データなし データなし 6,000店舗以上
(フィットネス施設以外も含む)
hacomono
(ハコモノ)
データなし データなし データなし 5,000店舗以上
(フィットネス施設以外も含む)
POWER KNOWLEDGE POS
(パワーナレッジPOS)
データなし データなし データなし 2,000店舗以上
(フィットネス施設以外も含む)
Smart Hello
(スマートハロー)
データなし データなし データなし 1,400店舗以上
CLUB NET
(クラブネット)
データなし データなし データなし 700店舗以上
i☆Member データなし データなし データなし 520店舗以上
CLIMB TR データなし データなし データなし データなし
kaloko データなし データなし データなし データなし

パーソナルトレーナー・インストラクター育成スクール

パーソナルトレーナー・インストラクター育成スクールカテゴリー

パーソナルトレーナー育成スクール増加の経緯

パーソナルトレーナー育成スクールは、2010年代後半からスタンダード化してきました。

2010年頃までは「体育系大学、トレーナー専門学校、フィットネスクラブ」などを経てパーソナルトレーナーになる人が多かったですが、2010年以降は「未経験でもパーソナルトレーニングジムの研修を受けてパーソナルトレーナーになる人」が増えました。

2012年にスタートしたパーソナルトレーニングジム大手「RIZAP」が、この文化を定番化させたといっても良いと思います。

その後、2010年代後半に入り、パーソナルトレーニングジムがどんどん増える中、「できるだけすぐ現場に出れる即戦力」が求められるようになってきました。

その流れで登場してきたのが、「パーソナルトレーナー育成スクール」です。

パーソナルトレーナー育成スクールのパイオニアである「2nd PASS」は、2017年にスタートしており、現在全国で20ヶ所以上の校舎があります。これまで1,500名以上が卒業しており(2021年の情報)、卒業後の就職率96%となっています。

その後、2018年に「ASPトレーナースクール」「プロジム」「Dr.トレーニングスクール」がスタートし、2019年に「VALXスクール」がスタートしています。

いずれもパーソナルジムや24時間ジムを複数店舗運営している企業がスクールを開始しており、事業の多角化としてスクールをスタートする企業が多いです。

育成スクールのプログラムと就職支援

パーソナルトレーナー育成スクールは、資格取得とともに、スクール生同士ではあるものの実践シミュレーションなどをプログラムに含んでおり、「未経験からでもすぐに現場に出れる人材を育成する」という形が増えてきました。

そして、各スクールは、多くのジムと提携しているので、「ジムでトレーナーを増やす際は、スクールで勉強した人材を獲得する」という構図が出来上がりました。

そのため、多数のジムを展開している企業においては、「どこかのパーソナルジムで以前勤務していた、もしくはどこかのスクールを卒業した」というのが採用ポイントになっており、全くの未経験者を採用するジムは減っている様子です。

パーソナルトレーナー資格の問題

パーソナルトレーナーとして活動するために、トレーナー資格(NSCA、NESTA、JATIなど)を取得する人も多いですが、パーソナルトレーナーになるために必ずしも取らなければならない資格はなく、そういった参入障壁の低さが、「パーソナルトレーニングジム、パーソナルトレーナーが増えている要因」の一つです。

そんな中、2023年にパーソナルトレーニング業界に大きなニュースが飛び込んできました。

2023年5月に、パーソナルトレーニングによる事故が増えていることを受け、消費者庁の安全調査委員会が調査に乗り出すというニュースが出たのです。
参考 パーソナルトレーニングで事故 消費者事故調が実態調査へNHK NEWS WEB

記事の内容を要約すると、「パーソナルトレーニングジム、パーソナルトレーナーが増え、指導中の事故が増えている」ということです。

これに関して、AbemaTVのニュース番組「Abema Prime」で取り上げられ、話題になりました。パーソナルトレーニング業界側の見解を述べる立場としては、私が出演させていただきました。
参考 【パーソナルジム】ほぼ素人のトレーナーが量産?自身の成功体験を投影?資格なしの指導はアリ?ABEMA Prime 【公式】YouTube

これらを受け、パーソナルトレーニング業界も「安全管理、指導の質の担保」について、改めて向き合うタイミングに差し掛かっていると思います。

すぐに国家資格を作ることは現実的ではないので、「スクールや資格団体、ジム」側で、改めて「カリキュラムの見直し、安全面への配慮、緊急処置や対応マニュアルの作成など」について検討する必要があると考えています。

また、ジムによっては「初期の研修以降、トレーナーに現場を任せているケースもある」と聞きますが、定期的に指導スキルをチェックしたり、お客様とのコミュニケーションをチェックする仕組みも取り入れていくべきだと思います。

インストラクター育成スクールの情報

インストラクター向けのスクールとして代表的なものは、2006年にスタートした3つの団体「YOGA ALLIANCE」「BASI PILATES」「PHI PILATES」で、2023年度現在のライセンス取得者数(または卒業者数)は以下です。

  • YOGA ALLIANCEのRYT200:2,300名以上
  • BASI PILATES:4,000名以上
  • PHI PILATES:2,000名以上

パーソナルトレーナー育成スクールの代表格「2nd PASS」は2017年にスタートしたにもかかわらず、卒業生が1,500名以上となっているので、いかにパーソナルトレーニング市場に勢いがあるかがわかります。

ヨガ・ピラティススタジオ

ヨガ・ピラティススタジオカテゴリー

ヨガスタジオ

店舗数上位の「LAVA(ラバ)」「CALDO(カルド)」「loIve(ロイブ)」の2020年から2023年の店舗数の推移を見てみると、店舗数はほとんど増えておらず、新しい勢いのあるヨガスタジオも登場してきていません。

2000年以降にヨガスタジオが増え、日本でブームとなっていましたが、ブームはひと段落した印象があります。

コロナを期にオンラインヨガサービスやYouTubeなどを活用して、スタジオに行かずとも自宅でヨガを実施する人が増えており、スタジオの数という点では昨年度と比較してもあまり変化がない状況です。

ブランド名 2020年度
調査時
2021年度
調査時
2022年度
調査時
2023年12月
調査時
LAVA
(ラバ)
430店舗 440店舗 437店舗 440店舗
CALDO
(カルド)
87店舗 80店舗 84店舗 84店舗
loIve
(ロイブ)
62店舗 63店舗 62店舗 63店舗
AMI-IDA
(アミーダ)
37店舗 36店舗 32店舗 31店舗
zen place
(ゼンプレイス)
18店舗 17店舗 19店舗 17店舗
LUBIE
(ラビエ)
18店舗 18店舗 18店舗 17店舗
美温
(ビオン)
18店舗 17店舗 17店舗 15店舗
studio yoggy
(スタジオヨギー)
23店舗 14店舗 14店舗 14店舗
Lala Aasha
(ララ アーシャ)
14店舗 12店舗 12店舗 9店舗
INSEA
(インシー)
8店舗 7店舗 7店舗 6店舗

ピラティススタジオ

ピラティススタジオは、2021年度〜2023年度で店舗数が増えている状況です。

「2005年以降に第一次ピラティスブーム」、「2015年以降に第二次ピラティスブーム」があったとされており、「2022年以降から第三次ピラティスブーム」が起きている様子です。

ピラティス業界では、これまで「zen place(ゼンプレイス)」がダントツの店舗数でしたが、「CLUB PILATES(クラブピラティス)」、「Rintosull(リントスル)」、「URBAN CLASSIC PILATES(アーバンクラシックピラティス)」、「pilates K(ピラティスケー)」などの2番手以降のブランドが、店舗数を大きく増やしています。

また、ピラティススタジオのスタイルが変化してきており、従来の「マットピラティス」から「マシンピラティス」中心になってきています。

この要因としては、「マシンピラティス」スタイルの方が、「機材の使い方をマニュアル化することでサービスの品質を担保しやすく、属人性が低下するので、店舗展開がしやすい」からではないかと考えています。

加えて、多くの韓国アイドルがマシンピラティスを実践している様子がSNSで広まっていたりと、マシンピラティスが「映えやすく、広まりやすい」ことも影響していると考えられます。

その他、私が注目しているピラティス情報としては、ホットヨガ最大手でもあるLAVA社が運営する「Rintosull(リントスル)」と「URBAN CLASSIC PILATES(アーバンクラシックピラティス)」の2ブランド展開です。

  • Rintosull(リントスル):30〜50分間の本格的なマシンピラティススタジオ
  • URBAN CLASSIC PILATES(アーバンクラシックピラティス):マシンピラティスとファンクショナルトレーニングを組み合わせた30分間のサーキットトレーニングのスタジオ

ピラティスは、プログラムの内容が大きく変わらないものが多い印象であり、お客様がレッスンに飽きてしまう可能性もありますが、LAVA社は上記の2ブランドを運営しているので、顧客のニーズを探れますし、一方のブランドでうまく行かなくなった店舗をニーズのあるブランドにチェンジすることもできます。そういった意味でこの2ブランドの動向に注目しています。

現在は各社がどんどん出店しているタイミングですが、「今後入会したお客様がどれくらい継続するのか」についても注目です。

ブランド名 2020年度
調査時
2021年度
調査時
2022年度
調査時
2023年12月
調査時
zen place
(ゼンプレイス)
78店舗 83店舗 96店舗 107店舗
CLUB PILATES
(クラブピラティス)
2店舗 3店舗 22店舗 46店舗
Rintosull
(リントスル)
5店舗 46店舗
URBAN CLASSIC PILATES
(アーバンクラシックピラティス)
データなし 15店舗 38店舗
pilates K
(ピラティスケー)
6店舗 7店舗 14店舗 30店舗
ピラティススタジオDEP
(ピラティススタジオデップ)
データなし データなし 25店舗
Pilates Mirror
(ピラティスミラー)
データなし 5店舗 23店舗
the SILK
(ザ シルク)
データなし 20店舗
WECLE
(ウィークル)
データなし データなし データなし 13店舗
Lien
(リアン)
14店舗 13店舗 9店舗 9店舗
ピラティススタジオB&B
(ピラティススタジオビービー)
9店舗 9店舗 9店舗 9店舗
BDC PILATES
(ビーディーシーピラティス)
3店舗 5店舗 6店舗 7店舗

コンセプト型スタジオ

コンセプト型スタジオカテゴリー

暗闇フィットネス

暗闇フィットネスカテゴリーは、どのブランドも店舗数が増えていない状況です。

2024年1月には、「b-monster(ビーモンスター)」の日本の運営権が別会社に譲渡されるニュースが発表されました。譲渡先はパーソナルトレーニングジム「BEYOND(ビヨンド)」を100店舗以上展開している「WORLD FIT(ワールドフィット)社」です。

参考 暗闇ボクシング「b-monster」国内事業の事業譲受に関するお知らせ「WORLD FIT」公式サイト

その後、すぐに渋谷店の閉鎖が発表されており、うまくいってる店舗、そうでない店舗の整理に取り組んでいる様子です。
参考 渋谷TOY VOXスタジオ閉館のお知らせ「B-MONSTER」公式サイト

ブランド名 2020年度
調査時
2021年度
調査時
2022年度
調査時
2023年12月
調査時
FEEL CYCLE
(フィールサイクル)
41店舗 42店舗 40店舗 40店舗
BurnesStyle
(バーネススタイル)
データなし データなし データなし 17店舗
jump one
(ジャンプワン)
13店舗 12店舗 15店舗 15店舗
b-monster
(ビーモンスター)
12店舗 12店舗 12店舗 11店舗
BOXING FITNESS GYM NOA
(ボクシングフィットネスジムノア)
6店舗 7店舗 9店舗 9店舗
MITTNESS
(ミットネス)
5店舗 5店舗 5店舗 5店舗
EXPA
(エクスパ)
14店舗 8店舗 4店舗 4店舗
FITNESS STUDIO NUDGE
(フィットネススタジオナッジ)
4店舗 3店舗 3店舗 2店舗
OLUTANA
(オルタナ)
3店舗 3店舗 2店舗 2店舗
PLAYGROUND
(プレイグラウンド)
5店舗 4店舗 2店舗 2店舗

ストレッチ

ストレッチ店のカテゴリーでは、「Dr.stretch(ドクターストレッチ)」がダントツですが、少し前から「全力ストレッチ」が一気に店舗数を増やし、「SSS(スリーエス)」や「Free Stretching(フリーストレッチング)」などのブランドも増えてきています。

しかし、昨年度の変化と比べると、ストレッチカテゴリー全体で出店ペースが鈍化している状況です。

これに関しては、現状のストレッチサービスへのニーズ数に対して、店舗数が飽和してきている可能性も考えられます。

そんな中、2023年7月に「STRETCH LAB(ストレッチラボ)」という「海外で300店舗以上展開しているストレッチ専門店ブランド」が、日本に進出してきました。

2024年度は、ストレッチカテゴリー全体の成長や、新しく参入した「STRETCH LAB(ストレッチラボ)」の動向に注目です。

ブランド名 2020年度
調査時
2021年度
調査時
2022年度
調査時
2023年12月
調査時
Dr.stretch
(ドクターストレッチ)
140店舗 160店舗 183店舗 187店舗
全力ストレッチ データなし 20店舗 37店舗 44店舗
SSS
(スリーエス)
14店舗 12店舗 22店舗 27店舗
Free Stretching
(フリーストレッチング)
データなし データなし データなし 27店舗
ストレッチアップ 22店舗 15店舗 14店舗 13店舗
STRETCH EX
(ストレチックス)
データなし 7店舗 12店舗 13店舗
筋楽本舗 データなし 7店舗 10店舗 10店舗
positive stretch
(ポジティブストレッチ)
4店舗 5店舗 9店舗 10店舗
STRETCH HERO
(ストレッチヒーロー)
データなし データなし データなし 9店舗
KARADA STRETCH
(カラダストレッチ)
5店舗 4店舗 5店舗 7店舗
パーフェクトストレッチ データなし データなし データなし 6店舗
e-stretch
(イーストレッチ)
データなし データなし データなし 6店舗

高齢者向け

高齢者向けでは、「Curves(カーブス)」が、コロナによる会員数減少(約80万人から約50万人まで減少)から見事に復活し、会費の値上げも実施し、プロテイン物販も好調と発表されており、順調な状況です。

※「Curves(カーブス)」は、「女性向け」カテゴリーにも含まれます。

ブランド名 2020年度
調査時
2021年度
調査時
2022年度
調査時
2023年11月
調査時
Curves
(カーブス)
2,014店舗 2,000店舗 1,958店舗 1,962店舗
元気ジム データなし 31店舗 32店舗 41店舗
心身健康倶楽部 7店舗 6店舗 6店舗 7店舗
TTB
(ティーティービー)
3店舗 3店舗 6店舗 6店舗

女性向け

上記の高齢者向けカテゴリーでも紹介しましたが、「Curves(カーブス)」はコロナ期に減少した会員数も戻り、順調の様子です。

その他のブランドは、女性専門パーソナルトレーニングジムの「FURDI(ファディー)」「UNDEUX(アンドゥ)」や、ピラティススタジオの「Rintosull(リントスル)」などが成長している状況です。

パーソナルトレーニングジムに関しては、女性のトレーナーの数がまだ少ない状況ですので、女性のトレーナーの人材が増えてくれば、さらに女性専門パーソナルトレーニングジムのジャンルの成長が期待できると思います。

※「Curves(カーブス)」は、「高齢者向け」カテゴリーにも含まれます。

ブランド名 2020年度
調査時
2021年度
調査時
2022年度
調査時
2023年12月
調査時
Curves
(カーブス)
2,014店舗 2,000店舗 1,958店舗 1,962店舗
LAVA
(ラバ)
430店舗 440店舗 473店舗 440店舗
loIve
(ロイブ)
62店舗 63店舗 62店舗 63店舗
FURDI
(ファディー)
15店舗 27店舗 49店舗 59店舗
Rintosull
(リントスル)
5店舗 46店舗
OUTLINE
(アウトライン)
11店舗 18店舗 40店舗 38店舗
UNDEUX
(アンドゥ)
10店舗 12店舗 21店舗 34店舗
B-CONCEPT
(ビーコンセプト)
27店舗 28店舗 37店舗 33店舗
Reborn myself
(リボーンマイセルフ)
37店舗 36店舗 32店舗 31店舗

その他コンセプト型

「Cross Fit(クロスフィット)」は昨年度より10店舗増と、順調に店舗数が増えています。

「Cross Fit(クロスフィット)」は2000年にアメリカで団体が設立され、アメリカには5,000店舗以上のクロスフィットジムがあります。日本には2010年に上陸していましたが、一見ハードに見えるのでなかなか増えていませんでした。

2010年代後半以降の「パーソナルジム、24時間ジム」の増加とともに、徐々に「Cross Fit(クロスフィット)」の認知度が広がり、一般の方に受け入れられてきた印象があります。

EMSを使った「EMSトレーニングジム」は、どのブランドも年々店舗数が減少しており、なかなか厳しそうな状況です。

ブランド名 2020年度
調査時
2021年度
調査時
2022年度
調査時
2023年12月
調査時
Cross Fit
(クロスフィット)
データなし データなし 44店舗 58店舗
【低酸素トレーニング】
ハイアルチ
20店舗 28店舗 31店舗 27店舗
【グループインターバル】
Orangetheory Fitness
(オレンジセオリーフィットネス)
10店舗 14店舗 14店舗 15店舗
【加圧トレーニング】
MUSCLE GYM
(マッスルジム)
10店舗 11店舗 13店舗 15店舗
【加圧トレーニング】
Oz(オズ)
7店舗 7店舗 7店舗 10店舗
【加圧トレーニング】
加圧ビューティーテラス
10店舗 12店舗 16店舗 8店舗
【EMSトレーニング】
X BODY Lab
(エックスボディラボ)
12店舗 9店舗 6店舗 5店舗
【EMSトレーニング】
Evolv(エボルブ)
6店舗 5店舗 5店舗 4店舗
【サーフエクササイズ】
Surf Fit(サーフフィット)
7店舗 7店舗 5店舗 3店舗

パーソナルトレーニングジム

パーソナルトレーニングジム

パーソナルトレーニングジムには、以下の3つのタイプがあります。

2023年度の傾向としては、「短期集中型」のジムはあまり増えておらず、「継続型(都度払い・回数券)」と「継続型(サブスクの通い放題)」のジムは去年同様に増えている状況です。

  • 「短期集中型」:短期間で集中的にダイエットやボディメイクに取り組むタイプ
  • 「継続型(都度払い・回数券)」:都度払いや回数券で、長期的に継続し、少しずつ効果を出していくタイプ
  • 「継続型(サブスクの通い放題)」:サブスク(月額固定)の通い放題で、長期的に継続し、少しずつ効果を出していくタイプ

短期集中型

「短期集中型」は、全体として昨年度までは店舗数が増えていましたが、2023年度に関しては出店が停滞しているようです。

「継続型(都度払い・回数券)」や「継続型(サブスクの通い放題)」のパーソナルジムは、各ブランド増加傾向なので、「短期集中型」のパーソナルジムが「継続型」より金額が高い印象を受けてしまうのが、影響しているのではないかと考えています。

ブランド名 2020年度
調査時
2021年度
調査時
2022年度
調査時
2023年12月
調査時
RIZAP
(ライザップ)
129店舗 129店舗 123店舗 112店舗
24/7 Workout 69店舗 66店舗 88店舗 89店舗
OUTLINE
(アウトライン)
11店舗 18店舗 40店舗 38店舗
Chicken Gym
(チキンジム)
21店舗 28店舗 33店舗 37店舗
UNDEUX
(アンドゥ)
10店舗 12店舗 21店舗 34店舗
B-CONCEPT
(ビーコンセプト)
27店舗 28店舗 37店舗 33店舗
ASPI
(アスピ)
10店舗 10店舗 35店舗 30店舗
LiME
(ライム)
22店舗 27店舗 30店舗 28店舗
CALORIE TRADE JAPAN
(カロリートレードジャパン)
データなし 20店舗 15店舗 16店舗
REVIAS
(レヴィアス)
18店舗 30店舗 22店舗 15店舗

継続型(都度払い・回数券)

「継続型(都度払いや回数券)」は、「かたぎり塾」が大きく店舗数を増やし、店舗数ではダントツトップになっています。

「かたぎり塾」は今年度(2023年度)に、経営メンバーに一気に外部の方を加入し、代表も交代しており、更なる規模拡大を進めていきそうです。

「BEYOND(ビヨンド)」や「Diet Partner(ダイエットパートナー)」も、店舗数を大きく増やしています。

ブランド名 2020年度
調査時
2021年度
調査時
2022年度
調査時
2023年12月
調査時
かたぎり塾 24店舗 50店舗 135店舗 189店舗
BEYOND
(ビヨンド)
26店舗 37店舗 75店舗 112店舗
REAL WORKOUT
(リアルワークアウト)
38店舗 55店舗 94店舗 108店舗
Diet Partner
(ダイエットパートナー)
データなし 45店舗 80店舗
APPLE GYM
(アップルジム)
30店舗 38店舗 47店舗 62店舗
FIRSTCLASS TRAINERS
(ファーストクラストレーナーズ)
41店舗 45店舗 55店舗 51店舗
Exercise Coach
(エクササイズコーチ)
38店舗 41店舗 44店舗 44店舗
T-balance
(ティーバランス)
データなし データなし データなし 41店舗
Reborn myself
(リボーンマイセルフ)
37店舗 36店舗 32店舗 31店舗
Dr.TRAINING
(ドクタートレーニング)
15店舗 18店舗 22店舗 26店舗

継続型(サブスクの通い放題)

「継続型(サブスクの通い放題)」では、「GOODLIFE GYM(グッドライフジム)」が急成長しています。

パーソナルジムに通う方のトレーニング目的は、2020年以前は「ダイエット、ボディメイク」が主流でしたが、徐々に「コンディショニング、スポーツパフォーマンスアップ」などの目的で通う方が増えてきています。

「そういったニーズの変化」と「短期間で身体を変えることよりも、無理なく自分のペースで進めたい」という考え方の変化が起きており、月額を抑えられる「継続型(サブスクの通い放題)」の需要が増えているのではないかと考えています。

ブランド名 2020年度
調査時
2021年度
調査時
2022年度
調査時
2023年12月
調査時
FURDI
(ファディー)
15店舗 27店舗 49店舗 59店舗
GOODLIFE GYM
(グッドライフジム)
データなし 7店舗 26店舗 48店舗
ELEMENT
(エレメント)
4店舗 6店舗 23店舗 35店舗
KARADA BESTA
(カラダビスタ)
9店舗 9店舗 19店舗 20店舗
BVEATS
(ビーツ)
10店舗 10店舗 10店舗 4店舗
BBB
(トリプルビー)
データなし データなし データなし 4店舗
LIM
(リム)
データなし 3店舗 データなし 3店舗

まとめ

2022年度に引き続き、2023年度も「24時間ジム」と「パーソナルトレーニングジム」カテゴリーが大きく成長しています。また、「ピラティス」カテゴリーの成長も印象的でした。

これらの多くが、FCの形で店舗が増えている状況です。
FCということは、FCオーナーは「資本はあるが、フィットネス業界の知見が少ないケース」が多く、「スタートは良いものの、その後継続的にうまくいくのか、今増えている店舗が3〜5年後にどうなっているのか」が注目です。

業界全体としては、フィットネスは2010年中盤から盛り上がってきており、若い人材が増えていますが、今後長期的に働くためのキャリアパスやキャリアプランといったものを設計している企業は多くないと思われるので、この点が今後の課題になってくるのではないかと考えています。

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最後までお読みいただき、ありがとうございます。来年度(2024年度)の「フィットネス業界カオスマップ」もお楽しみに。

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