久しぶりに運動をしたり、慣れていない運動をしたときに訪れる筋肉痛。
痛みが引くまで数日かかる場合もあると思います。
実はヨガはその筋肉痛を改善する効果が期待できます。
目次
筋肉痛の程度を知る
筋肉痛の程度によって対処方法が異なるため、その見極めが非常に重要です。
重度の筋肉痛
触れるだけで痛みを感じる重度な痛みであれば、単なる筋肉痛ではなく、大きく損傷している可能性や肉離れを起こしている恐れがあります。
このような場合は医師の診断を受けるなど、何かおかしいと感じたときは慎重に対処する必要があります。
重度な筋肉痛の場合は寝る・安静にするといった消極的休息をおすすめします。
ストレッチやマッサージは筋肉痛を悪化させる可能性がありますので痛みが緩和するまで控えましょう。
軽度の筋肉痛
日常生活を送るにあたり、特に支障がない軽度な痛みであれば、体を安静にすることよりも、少し体を動かす積極的休息をとることにより、痛みの緩和が促進されます。
ただし、マッサージやストレッチは、その行為自体が新たに筋肉の損傷を引き起こすため、痛みがほぼ引いてから行うようにしていきましょう。
主観的な筋肉痛の程度をトレーニングプログラムに反映させる
部位によって軽度、重度と異なる場合、その特定の部位が弱い、もしくはその部位に負担がかかりすぎている可能性が考えられます。
私はこのクライアントが感じる主観的な筋肉痛の程度を元に、トレーニング方法やフォーム、強度の設定を変更するぐらい重要な指標にしています。
例えば、利き足が右で、スクワットをした翌日に右のおしりにしか筋肉痛がきていない場合、右側に重心がずれており、左のおしりは意識できてなく、力が入りにくいと考えられます。
こういう癖のある方はほぼほぼ、歩きはじめや階段の上りはじめは右足です。これを左足からにするように試すと、バランスを崩してしまう方さえいらっしゃいます。
それだけ体の癖はトレーニングや日常生活に色濃く反映されています。
筋肉痛はそれを見つける手がかりとなる重要な現象なんです。
ヨガで筋肉痛を緩和できる?
ではどうしたら筋肉痛を緩和できるのかというと、消極的休息と積極的休息の使い分けが効果的です。
痛みの程度は重度なのか軽度なのか、身体的疲労の蓄積があるかないか、自分の体と対話をしていきましょう。
筋肉を休ませ、回復する時間を十分に取ることも重要ですが、実は消極的休息ばかりでは筋肉痛の回復を遅らせてしまう恐れもあります。
筋肉痛回復のメカニズム
ヒトの血管は動脈で栄養や酸素を運び、静脈で老廃物や二酸化炭素を運び出します。
静脈は自ら働くことができず、筋肉のポンプ機能で働くため、疲労して動きが悪くなった筋肉の中には疲労物質が残りやすくなってしまうからです。
積極的休息は筋肉を動かして静脈の血流を促し、血液が心臓に戻る手助けをします。よって、溜まった老廃物を排出しやすくすることができます。
ヨガや低強度の有酸素運動(ウォーキングやランニング)は積極的休息として取り入れることにより、疲労回復を早め、筋肉痛を和らげるのに効果が期待できます。
積極的休息の目的は、疲労を自ら抜くことです。
呼吸循環器系を刺激するために息が上がらない程度の低い強度設定が重要です。
プロスポーツ現場の手法を応用する
例えば、サッカー日本代表が試合の翌日、先発組は軽い運動、控え組はゲーム形式の強度の高い運動をしている映像を目にしたことはないでしょうか?
これは試合に何分出場したかによって分けられている場合が多く、疲労の程度によって翌日の練習メニューを変えています。
また、回復を促進するために患部を冷やすアイシングを行い、筋肉内の血流を促進させる処置もよく行われています。
最近ではサッカー日本代表の長友選手やドイツ代表のチームもヨガを練習に取り入れており、ヨガのパフォーマンスアップや試合後のリカバリー効果が注目されはじめています。
筋肉痛の程度に合わせてヨガを取り入れる
もちろんこれは一般の方にも応用ができ、高い強度の筋力トレーニングをした翌日、筋肉痛の程度を見極めながら、積極的休養としてヨガを行うことで回復を促進できます。
ただ重度の筋肉痛のときは、翌々日に行ったり、途中に長めの休憩ポーズを頻繁に取り入れたり、いつもより角度を緩めにして行うことを心掛け、筋肉の回復を優先させましょう。
筋肉痛があるときは、痛みを避けようと意識したい部位とは異なる筋肉を使ってカバーしてしまう可能性があります。
ヨガでも、軽い有酸素運動を行うときでも、いつもの状態とは違うということを頭に入れて、極力負荷を落とした運動がおすすめです。
まとめ
- 筋肉痛の痛みが重度なのか、軽度なのかによって、寝る・安静にするといった消極的休息と少し体を動かす積極的休息を使い分けることが筋肉痛の緩和に効果的。
- 筋肉痛は自分の体の癖や筋肉の強弱を見つけるのに重要な指標となる。その癖や筋肉の強弱を日常の動作を通じて改善していくことができる。
- ヨガや低強度の有酸素運動(ウォーキングやランニング)は筋肉を動かして静脈の血流を促し、血液が心臓に戻ると溜まった老廃物を排出しやすくすることができ、筋肉痛を和らげる効果が期待できる。
- 筋肉痛の程度によって、翌々日に行ったり、途中に長めの休憩ポーズを頻繁に取り入れたり、いつもより角度を緩めにして行うことを心掛け、筋肉の回復を優先させる必要がある。また、筋肉痛があるときは、痛みを避けようとして、意識したい部位とは異なる筋肉を使ってカバーしてしまう可能性があるので、極力負荷を落とした運動がおすすめ。
このように、何事も現状の確認からはじまり、それに合わせた運動・強度を選択していくことが非常に重要です。
私たちトレーナーは日々の指導や自らのトレーニングの中でこの変化をヒアリング・実感し、さらなる高いレベルの指導を行えるように努力しています。
一度パーソナルトレーニングを通じて、自分の体の癖や、効果的な運動の強度を体験にお越しいただくだけでも、その先のヨガやその他の運動に対する取り組み方が変わり、運動効果が飛躍的に高まります。