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失敗しないパーソナルトレーニングの進め方【パフォーマンスピラミッドを順番に】

失敗しないパーソナルトレーニングの進め方【パフォーマンスピラミッドを順番に】

パーソナルトレーニングの効果には「ダイエット・ボディメイク・柔軟性や姿勢改善」などがあります。

「夏はすぐそこ!今年こそ絶対綺麗に水着を着たい!」ということで、パーソナルトレーニングを受けようと検討している方も多いですよね。

しかし、ただがむしゃらに運動をして食事を抜いていては望んだ結果は得られません。ダイエットやボディメイクには順序があります。

今回は、「トレーニング始めたいけど、何から始めたらいいか分からない」という方へ、トレーニングを効率よく進めていくためのパフォーマンスピラミッドという考え方をお伝えしたいと思います。

パフォーマンスピラミッドとは?

パフォーマンスピラミッドから自分に必要なことを知ろう!

パフォーマンスピラミッドという言葉を初めて聞く方も多いと思います。

心理学を学んできた方でしたら「マズローの5段階欲求説」を思い浮かべていただけるとしっくりくるかもしれません。

簡単に図に表すと上図のようになりますが、「上の層に進むには下から段階を踏んでいきましょう!」ということになります。

ですので、マズローの5段階欲求説に同じくパフォーマンスピラミッドにおいても、下の層から順にトレーニングを行なっていくことでパフォーマンス(ここではダイエットやボディメイクの達成)が向上するという意味になります。

モビリティ・スタビリティ・ムーブメントとは?

一番下の層の「モビリティ・スタビリティ・ムーブメント」とは、分かりやすく言えば、柔軟性や安定感など基本的な動きのことを表します。

トレーニングで言えば、例えばスクワットで深くしゃがむためには、股関節や足関節の「モビリティ(柔軟性)」や体幹の「スタビリティ(安定性)」が必要です。

これらがない状態でいきなりスクワットしようとしても出来ません。

しかし、実際には「ダイエットには大きな筋肉を動かした方がいい」といった情報などから、新規のクライアント様においても「お家でスクワットをたくさん頑張ってました!」というケースを多く見受けるのが現状です。

このようにウォーミングアップなしに、また必要なモビリティ・スタビリティ無しに、いきなりトレーニングを行なっていても狙った筋肉への正しいフォームが取れません。

また、余計なところに効いてしまい、期待してもいない脚が太くなったり、さらには怪我のリスクも高まる可能性もあります。

パフォーマンスピラミッドの順番が大事

上記のような問題を避けるためには、トレーニングの順番がとても大切です。

まずはモビリティ・スタビリティ、ムーブメントを獲得し、その後にパフォーマンス(筋肥大、筋持久力など)のトレーニングを行います。

そしてパフォーマンス(筋肥大、筋持久力など)が向上したら、最後にスキル(コンテスト等に出られるのであればウォーキングやポージング)のトレーニングをしていくという順番が一番効率的で、パフォーマンスも高まり、障害のリスクも軽減できると言えます。
※スキルに関してはここでは割愛します。

足首が固くスクワットでうまくしゃがめない例

足首が固くスクワットでうまくしゃがめない例

実際のセッションでは、上の写真のように「足首が固くスクワットでうまくしゃがめないという方」を多く見受けます。

その際には足首のモビリティの獲得が先決。マスターストレッチなどを用い、足首のモビリティを高めていきます。

このようにトレーニングを進めていく考え方が、パフォーマンスピラミッドの考え方です。

こうして進めていくことで、ボディメイクでいえばフォームが適切に取れるようになるため、扱える重さが増え、それだけ負荷をかけられるので筋肥大に繋がります。

ダイエットでいえば、トレーニング量が増すのでより痩せやすいトレーニングが行えるようになると言えます。

マスターストレッチなどを用い、足首のモビリティを高めていく

パフォーマンスピラミッドの各用語

ここまでがパフォーマンスピラミッドの大枠の解説でしたので、各用語をもう少し細く説明していきたいと思います。

モビリティ

モビリティを柔軟性と訳す場合もありますが、「モビリティ = モバイル アビリティ」ですので、「特定方向へ動かす能力」といえます。

ちなみに、「柔軟性 = フレキシビリティ」となります。

スタビリティ

スタビリティは直訳すると安定性という意味になりますが、一般的なトレーニングではいわゆるプランクのように、全く動かないように固定させる、固めるイメージが強いと思います。

しかし、1分もガチガチに固めているような状態というのは人の動きにはなく、例えば電車の突然の揺れにもうまくバランスをとっていられるように、止まっているときにも動いているときにも安定感は必要になってくるので、ここではスタビリティ=静的・動的な安定性とします。

ムーブメント

ここでのムーブメントとは、立つ、しゃがむ、押す、引くなどの人間本来の機能的な動作という意味で基本的な動きになるため、次の層の「パフォーマンス」の獲得において筋肥大や筋持久力の向上を目指すなら、一番下の層で基本的な動作は習得しておいた方が良いため一番下の層に「ムーブメント」が位置しています。

具体的には「スクワット動作」「ヒップヒンジ動作」「片足立ち」などです。

パフォーマンス

ここで意味しているパフォーマンスは本来「筋肥大」「筋持久力」「心肺機能」「パワー(力×スピード)などですがボディメイクにおいてはウェストやヒップなどラインを整えるといって良いかもしれません。

先ほどのスクワットでいえば、例えばヒップアップのために、いかに狙った部位に効かせられるか、重量を扱えるかと言ったところになります。

ただやはり、そこにおいてもその前に股関節や足関節・脊柱などのモビリティ・スタビリティが低下していれば、これらのトレーニングを行うことが難しいので、このパフォーマンスの前段階に「モビリティ・スタビリティ・ムーブメント」があり、「スキル(競技動作)」の前にパフォーマンスがあるといえます。

パフォーマンスピラミッドはバランス良く取り組もう

先ほどのパフォーマンスピラミッドの画像は、理想的なパフォーマンスピラミッドです。

これに対してアンバランスなパフォーマンスピラミッドの状態の方も存在します。

パフォーマンス過多のケース

具体的には、中間層の「パフォーマンス過多」になっている状態で、モビリティ・スタビリティ・ムーブメントに比べて筋肉量や筋力の獲得に偏りすぎています。

パーソナルトレーニングではボディメイクのために、いわゆる筋トレが流行っています。

見た目を綺麗に、カッコよくすることはとても良いことなのですが、それらのトレーニング種目に対し、必要なモビリティ・スタビリティが備わっていなければ、関節に負荷がかかっていたり、コントロールできないレベルのパワーが付いてしまいます。

怪我のリスクやパフォーマンスの低下を招いてしまうので、それ以上の向上が望めなくなり頭打ちがきてしまいます。

より充実したトレーニングを行うためにはモビリティ・スタビリティの獲得が必要になってきます。

モビリティ・スタビリティ・ムーブメント過多のケース

また反対に、「パフォーマンス」に比べて「モビリティ・スタビリティ・ムーブメント」が高すぎるパターンの、アンバランスなパフォーマンスピラミッドも存在します。

これはピラティスやヨガばかりやっていて、体はすごく柔らかいけれど筋力がないパターンが当てはまります。

この場合は十分なモビリティ・スタビリティを獲得しているので綺麗なボディラインを得るためには筋力トレーニングが必要になってきます。

まとめ

今回はパフォーマンスピラミッドについてお伝えしてきましたが、あなたは「モビリティ・スタビリティ・ムーブメントから始めたら良いのか」、それとも「これらは十分あるのでパフォーマンス」から始めたら良いのか」が明確になってきたでしょうか?

そこが明確になると、パーソナルトレーニングの効果は最大限発揮できると考えます。

そのため、私の場合はセッションを通じて、体がトレーニングできる状態にあるのか、うまく力が入れられる状態なのかなど、鍛える前に整えることを意識し、鍛えられる状態になったなら、1mmや1°を大切に良いフォームでトレーニングしていくことにこだわっています。

失敗しないパーソナルトレーニングを進めるために、「自分が今どの状態にあるのか分からない……」、という方は、ぜひ一度お近くのパーソナルトレーニングを体験することをお勧めします!