パーソナルトレーニングジム「Sharez」代表の岡崎秀哉です。
「アルプス薬品工業株式会社」様は、Sharez高山店のある高山市の隣の飛騨市に本社があり、健康経営に非常に力を入れている会社です。
今回は、健康経営の取り組みの一環として、2023年6月28日と6月29日の2日に分けて、健康づくりのためのセミナーを開催させていただきました。
- 2023年6月28日:肩こり改善セミナー
- 2023年6月29日:腰痛改善セミナー
本記事では、2023年6月29日に実施した「腰痛改善セミナー」の内容を紹介いたします。
目次
セミナー開催の経緯
様々な薬やサプリメントの原料となる成分を作っている企業である「アルプス薬品工業株式会社」様は、健康経営に非常に力を入れており、健康経営を実践している指標である「健康経営優良法人」「ホワイト500」を取得しています。
その健康経営の取り組みの一環として、「肩こり改善セミナー」と「腰痛改善セミナー」を開催させていただきました。
担当者の方々にお伺いし、「工場勤務の方々」と「事務職のデスクワーク系の方々」の身体のお悩みに合わせた内容をお伝えすることになりました。
セミナーの時間が各回30分ずつと短めでしたので、エクササイズは「その場で覚えやすい3〜4種目」に限定して、紹介させていただきました。
腰痛改善セミナーの内容
腰痛改善セミナーの内容はこちらです。
- 腰痛の原因について
- 腰痛を改善するには?
- 腰痛改善のためのストレッチとエクササイズ紹介
- 仕事中の動作で気をつけたいこと
まず、セミナーの導入として、腰痛の原因について説明させていただきました。
腰痛の原因について
腰痛は、大きく分けると、以下の2つに分類できます。
- レントゲンで症状が「分からない」もの:筋肉性の腰痛、姿勢性の腰痛など
- レントゲンで症状が「はっきり分かる」もの:腰椎付近の椎間板ヘルニア、腰椎付近の脊柱管狭窄症、腰椎付近の椎骨のすべり症、腰椎付近の棘突起の骨折など
腰痛を訴える人のうち、80〜90%は、レントゲンで症状が「分からない」もの(筋肉性の腰痛、姿勢性の腰痛など)のケースだと言われています。
これらの腰痛は、「日常生活での腰への負担」が、大きい要因になっています。
動作による腰部への負担について
日常動作や仕事中の姿勢における腰部への負担を考えてみましょう。
真っ直ぐ立った立位の姿勢における腰部への負荷を「1」したときの、他の姿勢(動作)の負担を数字で表したのが以下です。
- 立ってお辞儀をすると、腰部に「1.5倍」の負荷がかかる
- イスに座ると、腰部に「1.4倍」の負荷がかかる
- 前屈みでデスクワークの作業をすると、腰部に「1.8〜1.9倍」の負荷がかかる
このように日常の動作や仕事中の動作は、腰に負担がかかるケースが多いです。
また、「腰の筋肉や腰を支える下半身の筋力」が低下していると、腰への負担は大きくなってしまい、疲労しやすくなります。
これらが原因で、腰痛に悩まされている人が多いと思われます。
腰痛を改善するには?
腰痛を予防・改善するには、以下の実施が必要です。
- 体幹部や下半身の筋力を高める
- 胸椎、肋骨、股関節の可動性を高める
- できるだけ腰部に負担のかかる動作を減らす
- 腰部のケア、全身のコンディショニングを行う
今回のセミナーでは、「胸椎、肋骨、股関節の可動性を高める」手段として、下記の「胸椎、肋骨、股関節の可動性を高めるためのエクササイズ」を紹介しました。
また、「できるだけ腰部に負担のかかる動作を減らす」手段として、「仕事中の動作で気をつけたいこと」をお伝えしました。
腰痛改善のためのストレッチとエクササイズ紹介
腰痛改善に向けて、ストレッチとエクササイズ方法の説明と実践を、以下の流れで実施しました。
ご自身で身体の状態を知っていただけるように、ストレッチとエクササイズの前後に「胸椎・肋骨・股関節の可動性チェック」を取り入れています。
- ストレッチとエクササイズの前に、胸椎・肋骨・股関節の可動性チェック
- 胸椎・肋骨の動きを改善するストレッチ
- 股関節・胸椎の動きを改善するストレッチ
- 股関節の動きを改善するエクササイズ
- 胸椎・肋骨の動きを改善するエクササイズ
- 再度、胸椎・肋骨・股関節の可動性チェック
① ストレッチとエクササイズの前に、胸椎・肋骨・股関節の可動性チェック
最初に、現在の身体の状態をチェックしていただくために、「胸椎・肋骨・股関節の可動性」をチェックするエクササイズを実施しました。
相撲の四股のような姿勢になっていただき、両手を膝付近につき、上半身をツイストするエクササイズです。
このエクササイズで、以下の項目を確認することで、「胸椎・肋骨・股関節の可動性」をチェックしていきます。
- どれだけ深くお尻を下ろすことができるか
- お尻を下ろした際に、どれだけ上半身が起きているか
- お尻を下ろした際に、膝が内側に入らないか
- どれだけ上半身をひねることができるか
参加者の方々の様子を見ると、股関節の動きは悪くない方が多かったですが、ひねりが浅く、肋骨や胸椎の動きがあまり良くない方が数名見受けられました。
② 胸椎・肋骨の動きを改善するストレッチ
まずは、座った状態でもできる「胸椎・肋骨・肩甲骨付近までの動きを改善するストレッチ」です。
片手を頭の後ろに当て、上半身を横に倒し、肘を天井に向けて上げます。
目線を肘や天井の方向を見て、脇の下あたりから脇腹あたりを伸ばしていきましょう。
③ 股関節・胸椎の動きを改善するストレッチ
次に、お尻の筋肉のストレッチにひねりを加え、胸椎の動きも出していく、一石二鳥なストレッチです。
座った姿勢で片足の膝を曲げ、反対の脚を後ろに伸ばします。
曲げた脚の方へ上半身を倒し、身体をひねるストレッチです。
曲げた脚側のお尻の筋肉の伸び感と、上半身のねじれ感があればOKです。
④ 股関節の動きを改善するエクササイズ
続いて、股関節の動きを改善するエクササイズです。
太ももの前にある「大腿直筋、腸腰筋」と、太ももの裏にある「ハムストリングス」の筋肉をストレッチしていきます。
まず、脚を前後に開き、前に出した脚は膝を曲げ、後ろの脚は膝を伸ばし、膝は地面につけます。
両手を前に出した脚の膝の上に置いて、両手の肘を伸ばして胸を張り、腰を下に落とし、「脚の付け根から太ももの前のあたり」の伸びを感じましょう。
次に、お尻を後ろに引き、前に出していた膝を伸ばし、つま先を上げます。
上半身を前に傾け、床に両手を近づけて、太ももの裏側が伸ばしていきましょう。
⑤ 胸椎・肋骨の動きを改善するエクササイズ
最後のエクササイズは、背中を丸めたり反ったりし、胸椎の動きを出すとともに、肋骨の動きも改善していくエクササイズです。
まず、立膝の姿勢になり、両手の手の甲を腰に当て、肘を外に張ります。
そこから、背中を丸めて両肘を前に出して、背中の伸びを感じていきましょう。
次に、両手を腰から離し、後ろで手を組み、胸を張って、組んだ手の肘を伸ばします。
この動きでは、胸の付け根から肩の前方あたりを伸ばしていきます。
⑥ 再度、胸椎・肋骨・股関節の可動性チェック
ストレッチとエクササイズ後に、再度、胸椎・肋骨・股関節の動きを確認していただくために、最初に行った可動性チェックを行いました。
お仕事後で身体が凝り固まっていた方も多かったようで、「スムーズにお尻が落ちるようになった」、「身体がひねりやすくなった」と、効果を感じていただけた方が多かったです。
仕事中の動作で気をつけたいこと
セミナーの最後に、「腰痛になる要因を減らすために、日頃の仕事中の動作で気をつけたいこと」をお伝えしました。
デスクワーク中心の方向け
デスクワーク時は、背中が丸まった姿勢で作業してしまうと、腰より上にある身体の重さを腰の筋肉支える形になるので、腰の筋肉が引っ張られてしまいます。
その状態が長時間続くと、腰の筋肉への負担が増幅してしまいます。
また、イスにずっと座った状態ですと、お尻の筋肉が圧迫された状態になってしまい、血行が悪くなってしまうので、お尻の筋肉が凝り固まってしまいます。
お尻の筋肉が凝り固まってしまうと、股関節の動きが悪くなり、動きをカバーするために腰部への負担が大きくなってしまいます。
これらを解決するために、「イスに座るときに負荷のかかりづらい姿勢について解説したり」、「定期的に立ち上がって、臀部のストレッチをケアとして行うこと」をお伝えしました。
現場作業中心の方向け
現場作業で立ち作業の際にも、前屈みの姿勢が続いてしまうと腰への負担が蓄積してしまいます。
姿勢はできるだけ丸めず、目線を下げる形で手元を確認することをお伝えしました。
また、腰が少し前方に出てしまう立ち姿勢(スウェイバック)になっているケースが多いので、これにも注意するようお伝えしました。
この立ち姿勢(スウェイバック)は、楽に感じる姿勢ですが、実は腰に反りが出ており、腰の筋肉の負担が大きい姿勢です。
「立ち姿勢で腰が前に出ていないか」をチェックしていただくようにお伝えしました。
まとめ
アルプス薬品工業株式会社様の健康経営の考えが従業員の方々にもしっかり浸透しており、参加者の方が積極的に取り組む様子が印象的でした。
腰の筋肉は、仕事中の姿勢や動きだけでなく、日常の動作でも負担がかかっています。
今回紹介したストレッチやエクササイズを継続して実施し、腰の筋肉の動きを良くしていき、腰痛の予防・改善に取り組んでいただけたらと思います。
腰痛を予防・改善し、快適に仕事に挑んでいただけるよう、Sharezでは、今後もこういった活動を広げていきたいと思います。
今回のように、健康経営に力を入れており、「従業員の方々の健康管理、健康の維持増進」に関して、何かお手伝いできることがございましたら、ぜひお気軽にご相談ください。