パーソナルトレーニングジム「Sharez高山店」トレーナーの桂川晃尚です。
岐阜県高山市立松倉中学校男子バレーボール部のコーチである「大野淳平」氏から、「バレーボール競技のパフォーマンスをあげたい」とお話を受け、今回は「競技のパフォーマンスをアップする考え方」と「バレーボールの動きに必要なストレッチ」をお伝えするセミナーを開催しました。
目次
バレーボール選手向けストレッチセミナー開催の経緯
前回(2022年8月5日)のセミナーに引き続き、「競技のパフォーマンスをアップする考え方」をお伝えする機会をいただきました。
前回は「移動速度向上」についてお伝えしましたが、今回は、パフォーマンスアップをより広く考えるための「パフォーマンスアップの全体像」をお伝えし、その関連の「バレーボールの動きに必要なストレッチ」を紹介しました。
また、前回に実施した「移動速度を測るテスト(通称、Tテスト)のタイム」が、どのくらい伸びているかチェックしました。
※前回(2022年8月5日)のセミナー内容はこちらをご確認ください
中学生バレーボール選手向け瞬発力アップセミナー開催【岐阜県高山市立松倉中学校】(2022年8月5日)
バレーボール選手向けストレッチセミナーの内容
今回のセミナーの内容はこちらです。
- Tテスト測定
- パフォーマンスピラミッドの説明
- バレーボールの動きに必要なストレッチの説明と実施
今回は、10名(中学2年生:7名、中学3年生:3名)の選手に参加いただきました。
①Tテスト測定
前回(2022年8月5日)のセミナーから、「Tテストを分解した動きのドリル」を日々の練習の中で取り入れていただきましたので、どのくらいTテストのタイムが縮まっているかを再測定しました。
結果としては、全員が0.26秒以上タイムが短くなっており、中には1秒以上タイムが短くなっている選手もいました!
日々の練習の中でドリル取り入れていただいたことで、選手全員の「移動速度」のレベルが上がりました。
今後も継続いただくことで、よりバレーボール競技のレベルアップにも繋がっていきます。
②パフォーマンスピラミッドの説明
バレーボールを上手くなるためには、バレーボールのパフォーマンスを高めるための理論を知る必要があります。
パフォーマンスを高めるということは、上図のパフォーマンスピラミッドを用いて説明することができます。
パフォーマンスピラミッドとは、「スキル・パフォーマンス・ムーブメント」の3つの段階に分けて、パフォーマンスアップを向上していく考え方です。
- スキル: 「走る」「打つ」などの能力を意味します。バレーボールでいえば、「スパイク」や「レシーブ」などにあたります。
- パワー・スピード: 「筋力」や「敏捷性」を意味し、フィジカル能力の高さを表します。いくらスキルがあっても、筋力やスピードが無ければ、パフォーマンスアップは難しくなります。
- 基本的な動き・姿勢: 一つ一つの動きを、身体に負担なく、「正しく動かせる」ことが重要ということです。
パフォーマンスピラミッドを大きくするには?
上図はピラミッドが大きいほど、パフォーマンス能力が高いということを示した図です。
このピラミッドを大きくするためには、土台となるピラミッド下段を大きくしていくことが重要です。
そして、ピラミッド下段を大きくするには、「正しい動きを習得する」ことが必要となります。
バレーボールのスパイク動作を分解
例えば、バレーボールのスパイク動作分解すると、図のような要素が含まれます。
図の要素の動きに制限がかかってしまうと、パフォーマンス力の低下や怪我のリスクが高まってしまいます。
③バレーボールの動きに必要なストレッチの説明と実施
「ストレッチ」は、正しい動きを習得したり、可動性を向上させるための基礎として有効です。
今回は、「ウォームアップ時」に取り入れられる「バレーボールの動きに必要なストレッチ」を紹介しました。
肩・肩甲骨のストレッチ
バレーボールのスパイクやサーブでは、腕を肩よりも上にあげたり、体をひねる動作が行われます。
肩関節の回旋、肩甲骨周り、胸椎回旋の動きを取り入れて、関節可動域やストレッチ性を上げれると、「強いスパイクが打てる、高い打点で打てる」ことに繋がります。
胸のストレッチ
バレーボールのスパイクを打つときに、胸を開く動作が入ります。
肩甲骨の内転外転、胸椎回旋の動きを取り入れて、関節可動域やストレッチ性を上げれると、「強いスパイクが打てる、高い打点で打てる」ことに繋がります。
胸椎のストレッチ
バレーボールのスパイクやジャンプサーブでは、胸を伸ばしたり縮めたりする動きが入ります。
胸椎を屈曲、伸展する動作を取り入れて、関節可動域やストレッチ性を上げれると、「体重をのせた強いスパイクが打てる」ことに繋がります。
腕のストレッチ
バレーボールでは、スパイクやブロックなどの「肩よりも上の動き」が多いため、腕を曲げ伸ばす種目も取り入れました。
腕のストレッチ性を上げれると、「ブロックの打点が高くなる、強いスパイクが打てる」ことに繋がります。
前もものストレッチ
バレーボールは、ジャンプ動作や低い姿勢から動くことが多いため、前ももの筋肉の柔軟性や筋力も必要となります。
前もものストレッチ性を上げれると、「落下地点に入るまでの速さが上がる、高くジャンプできる」ことに繋がります。
ハムストリングス(もも裏)のストレッチ
ハムストリングスは、股関節を伸ばしたり膝を曲げる作用があり、スパイクやブロックなどのジャンプする動作時に必要になります。
ハムストリングス(もも裏)のストレッチ性を上げれると、「スパイクやブロックの高さが上がる」ことに繋がります。
臀部(お尻)のストレッチ
バレーボールでは、レシーブやブロックなどでしゃがんだりする動作があり、その際に臀筋群(お尻の筋肉)が作用します。
臀部(お尻)のストレッチ性を上げれると、「レシーブ時の体勢が安定したり、ブロックの高さが上がる」ことに繋がります。
ふくらはぎのストレッチ
バレーボールは、ダッシュやジャンプ動作が多く含まれ、その際にふくらはぎの筋肉も使われます。
ふくらはぎのストレッチ性を上げれると、「スパイクやブロック時のジャンプ力アップ、ボールの落下地点に素早く入る」ことに繋がります。
まとめ
パフォーマンスアップをするためには、選手自身で「何をしたら良いのか」を考えることができ、行動する力が必要となります。
今回のセミナーなどを継続して実施していき、選手のパフォーマンスアップや試合で良い結果を出せることをお手伝いできたら幸いです。
今回のセミナー開催にあたり、ご協力いただきました皆様に、この場をお借りし感謝申し上げます。
Sharezでは、今後も積極的にスポーツ指導分野にも力を入れていきたいと考えております。
エリアや競技を問わず、スポーツに携わる多くの方に、専門的な技術や知識を提供し、よりスポーツを楽しんでいただきたいと思っております。
「部活動やスポーツチームでセミナーを実施して欲しい」というご要望がございましたら、「お問い合わせフォーム」よりお気軽にお申し付けください!