パーソナルトレーニングジム「Sharez」代表の岡崎秀哉です。
岐阜県高山市の「国府ジュニア陸上クラブ」の代表である「前坂治臣」氏から、「練習内容がマンネリ化しつつあるので、生徒達が楽しく取り組める、新しいトレーニングを紹介してほしい」と依頼があり、2022年8月6日に小学生向け陸上競技のトレーニングセミナーを開催しました。
場所は、岐阜県高山市にある「中山公園陸上競技場」です。
目次
陸上競技のトレーニングセミナー開催の経緯
国府ジュニア陸上クラブは、岐阜県高山市国府町付近に在住している小学1年生〜小学6年生までが所属している陸上チームで、人数は30名ほど所属しています。
代表の「前坂治臣」氏が、私の高校時代の先輩であることに加えて、コーチの「船坂百合子」氏は、私の同級生であり、身近な方が関わっているチームです。
小学1年生〜小学6年生と年齢の幅が広いこともあり、本格的な陸上競技の指導や練習というよりは、「基礎的な体力作り、運動の習慣化」を目的として、活動しているとのことです。
そのため、種目毎にメンバーを分けたり、どんどんレベルを高めていくような練習内容ではなく、全体で行うものであったり、幅広いレベルで対応できるものに限定され、「トレーニング内容の引き出しが少ない」という悩みがありました。
そこで、「幅広い年代でも楽しみながら実施可能で、かつ陸上競技に求められる基礎体力の向上に繋がるものを教えてほしい」とのことで、セミナー開催に至りました。
小学生向け陸上競技のトレーニングセミナーの内容
今回のセミナーの内容はこちらです。
- アニマルフロー
- ペアで行う体幹トレーニング
- チームで行うリレー形式のトレーニング
- マーカーコーンを使ったトレーニング
今回は約20名の生徒と、そのご両親15名ほどに参加いただきました。
夏の暑い時期でしたので午前中と昼間は避け、夕方の時間帯に開催しました。日中は35度以上ありましたが、高山市は盆地であるため、早朝や夕方以降は涼しくなり、運動に最適です。
普段の練習時は見学しているご両親も「今回は参加したい」と嬉しいご要望をいただいていたので、ご両親も参加して楽しんでいただける内容にアレンジしました。
各トレーニングの詳細について、以下で紹介していきます。
①アニマルフロー
アニマルフローとは、「動物の動きを真似して、四肢を動かすエクササイズ」です。
その中でも簡単な動きをピックアップし、どの動物の動きをイメージしているかを紹介しつつ、小学生にも楽しんでいただけるように工夫しました。
アニマルフローのエクササイズ内容
数名の列になってもらい、1つ1つの動きで15メートル進むエクササイズを、合計5種目実施しました。
普段の練習では、足で走る動きがメインになりますが、アニマルフローでは「手を地面についたり、四足歩行で移動したり」と、陸上競技にはない動きが登場します。
アニマルフローの効果
アニマルフローをウォーミングアップとして取り入れることで、以下の効果があると考えています。
- 肩甲骨周り、手首周り、股関節周り、足首周りなど主要な関節運動に対して、動的ストレッチできる
- 心拍数を適度に上げれる
- 楽しみながらできる
本格的なトレーニングとして行う場合は細かいフォームなどを意識する必要がありますが、今回はウォーミングアップとして、フィジカルコンディションを整える目的で取り入れました。
細かい動きの指導よりも、ゆっくりで良いのでダイナミックに動くことを意識してお伝えしました。
指導者の方やご両親の方々も「アニマルフロー」という言葉自体が初耳だったようで、新鮮な内容をお届けできたのではと思います。
②ペアで行う体幹トレーニング
体幹トレーニングというと「腹筋や背筋、プランク」といったものが一般的で、一人で行うイメージが強いと思います。
今回はペアになって行うことでランダム性も加わるので、陸上競技だけでなく、様々なスポーツを行う場合にも活かせる基礎体力の向上に繋がると考えました。
また、体幹部の安定性を保持しながら、四肢を動かしたりする様々な動きにアレンジを加えています。
ペアで行ったり、ご両親も一緒に行うことで、コミュニケーションの要素も取り入れることができるので、ご自宅でもぜひ親子でチャレンジしていただきたいです。
③チームで行うリレー形式のトレーニング
上記のペアでの体幹トレーニング同様に、さらに人数を増やして学年や性別などの枠を越えて、チームでできる種目を用意しました。
陸上競技では、リレーがチームで行うものとしてありますが、それだけではシンプル過ぎてしまうので、今回は走ること以外にも動きを加えた内容にアレンジしています。
チームで行うリレー形式トレーニングの内容
1チーム6人程のチームを作り、そのうちの5人が障害物となり1列に並び、その列を往復して様々な姿勢や動きを行います。
往路は5人を馬跳びをしながら進み、復路はうつ伏せになった5人をミニハードルのように飛び越えながらスタートラインまで戻ります。
1人目の走者がクリアしたら、次の走者に交代し、1人目の走者は障害物になっていくという形です。
この種目は、以下のタイミングで取り入れるのが良いと思います。
- 試合後の少し強度を落とした練習をしたい時期
- 新しいメンバーが加わり、コミュニケーションを取りたいとき
④マーカーコーンを使ったトレーニング
マーカーコーンは、どちらかというと「ラグビー、アメフト、サッカー、バスケなど球技種目」で取り入れられることが多いアイテムです。
マーカーコーンは以下のメリットがあるので、トレーニングのバリエーションとして持っておくと「雨天時の練習や狭い環境での練習、自宅での練習」など、様々な場面で使えると思います。
- まとめられるので持ち運びやすい
- かさばりにくいのでどこでも置ける
- 壊れにくい
- 軽い
- 安い
今後、別の競技種目に転向したとしても活かせる「フットワーク系、ステップ系のトレーニングが行る」ということで紹介しました。
マーカーコーンを使ったトレーニングの内容
マーカーコーンを使って、以下のトレーニングを行いました。
- 縦に間隔をあけて並べてのジグザグな動き
- リズムを変えた動き
- スラローム状に設置してのサイドステップ
今回紹介したマーカーコーンを使ったトレーニングは、SAQトレーニング(Sはスピード、Aはアジリティ、Qはクイックネス)の要素であり、「スピード、アジリティ、クイックネス」を高められます。
また、陸上競技にはないステップを取り入れることで、足関節などのケガの予防も含んでいます。
これもぜひウォーミングアップなどの取り入れていきたい内容です。
【課題】運動をする機会が減り、体力が低下している状況について
今回の小学生向けセミナーと合わせて、別日に高山市の中学生向けにもトレーニングセミナーを行いました。
その際に、指導者の方から「体育館の端から端までボールを投げても届かない、走るのが遅い子供が増えている」など、運動が苦手な子どもが増えているという話も聞きました。
個人的にこの内容は衝撃的で、自分達が小学校や中学校の時は、昼休みや帰宅後に様々な運動を友達と遊んでおり、運動が苦手な人は多くはありませんでした。
しかし最近は、以下の要因から外遊びをする子どもが減り、運動が苦手な子どもが増えているとのことです。
- コロナの影響もあり、外出しなくなった。
- 小さい時からスマホを持っており、動画を見たり、ゲームをしている。
調べてみると、スポーツ庁の「令和3年度全国体力・運動能力、運動習慣等調査」では、全国的に小中学生の体力が低下している事が発表されています。
参考
小中学生の体力低下は新型コロナの影響か? 令和3年度全国体力・運動能力、運動習慣等調査①スポーツ栄養Web
もちろん、ネガティブな要素ばかりではなく、情報が手に入りやすくなったことにより、高山市からも優秀なジュニアアスリートが出てきています。
ただ、全体的な傾向としては、運動をする子どもが減り、体力が低下している状況です。
まとめ
私としては、小さいうちからいろんなスポーツに触れ、いろんなスポーツの楽しみを感じて、どんな形でも良いので、運動を大人になっても継続していってほしいなと感じます。
今後も今回のような形で、それに少しでも関わり、貢献していきたいと考えています。
今回のセミナー開催にあたり、ご協力いただきました皆様にこの場を借りて感謝申し上げます。
弊社Sharezとしては、こういったスポーツ指導に関わる活動を、「エリア、年代、性別、競技」問わず、積極的に行っていきたいと考えています。
部活動やクラブチームで、「トレーニングやエクササイズのセミナーを実施してほしい、セミナーに興味がある」という方がいらっしゃいましたら、ぜひ気軽にお問い合わせください。