パーソナルトレーニングジム「Sharez高山店」トレーナーの桂川晃尚です。
高山西高等学校の陸上部コーチである「伏谷」氏から、「選手の競技力を上げるために、ウエイトトレーニングを強化していきたい」とお話をいただき、2023年8月よりウエイトトレーニング指導を開始しています。
その一環で、競技力を上げるために重要となる「日々の食事管理」についてのセミナーを実施しました。
目次
高校陸上選手向け食事管理セミナーの内容
今回のセミナーの内容はこちらです。
- 筋肉をつけるために、食事面で気をつけること
- 摂取カロリーの目安
- 「タンパク質、脂質、炭水化物(糖質)」の役割やどんな食品に多く含まれているのか
- 食事管理アプリの紹介と使い方
セミナー会場は「高山西高等学校」です。
筋肉をつけるために、食事面で気をつけること
筋肉をつけるためには、ウエイトトレーニングと合わせて、栄養そして休養を的確にとることが重要です。
食事面でのポイントを3つお伝えしました。
①「摂取カロリー > 消費カロリー」を目指す
筋肉をつけるためには、自身の消費カロリーよりも、摂取カロリーが多くなるようにしましょう。
摂取カロリーが少なくなると、エネルギー不足になってしまい、自身の筋肉を分解してエネルギーを生み出そうとする反応が起こるため、筋肉や水分も落ちてしまいます。
②1日3食以上の摂取を意識する
個々で摂取カロリーの目安は異なりますが、陸上部の高校生の場合、1日3,000kcal以上の摂取が必要となります。
1日3食だと、1食あたり1,000kcal以上摂ることが必要となり大変です。1日3食以上分食や間食をうまく活用することで、摂取カロリーを増やしましょう。
③「タンパク質:脂質:炭水化物」 の割合は「2.5:2:5.5」を目指す
カロリーは、主に「タンパク質、脂質、炭水化物」から成り立っています。
ただ食事を摂れば良いというわけではなく、筋繊維の修復に必要な栄養補給が必要です。
筋肉をつけるときの目安としては、「タンパク質:脂質:炭水化物」 の割合が、「2.5:2:5.5」です。
炭水化物割合が多いのは、部活動やウエイトトレーニングで必要となる糖質を確保し、筋肉の分解を防ぐためです。
摂取カロリーの計算方法
上記で「陸上部の高校生の場合、1日3,000kcal以上の摂取が必要」とお伝えしましたが、その計算方法をお伝えします。
※「PFC」とは、「タンパク質(P)、脂質(F)、炭水化物(C)」の英語の頭文字をとったものです。
摂取カロリーの目安は、個人の基礎代謝量や活動レベルから算出します。
セミナーでは、「18歳男性、170cm、60kg、陸上部短距離選手」を例に、説明しました。計算としては以下です。
摂取カロリーの目安 = 基礎代謝量(約1,600kcal) × 活動レベル(陸上競技は「2」くらい) = 約3,200kcal
「摂取カロリー > 消費カロリー」にする必要があるため、目安摂取カロリーを3,300kcalに設定します。
また、PFCバランスは「2.5:2:5.5」の割合にするため、3,300kcalをそれぞれ振り分けると、以下のバランスになります。
- タンパク質(P):825kcal(206g)
- 脂質(F):660kcal(73g)
- 炭水化物(C):1,815kcal(454g)
「タンパク質、脂質、炭水化物(糖質)」の役割やどんな食品に多く含まれているのか
「タンパク質」「脂質」「炭水化物(糖質)」の役割やどんな食品に多く含まれているのかを説明していきました。
項目 | タンパク質 | 脂質 | 炭水化物(糖質) |
---|---|---|---|
カロリー | 1g = 4kcal | 1g = 9kcal | 1g = 4kcal |
役割 | 筋肉、皮膚、髪の毛、臓器など 身体を構成するものの材料となる。 |
ホルモンの材料になったり、 運動中のサブ的なエネルギー源となる。 |
糖質は運動の主なエネルギー源となる。 体内にストックすることができる。 |
多く含まれる食品 | 肉、魚、甲殻類、卵、大豆類 | オリーブオイル、ココナッツミルク、 青魚、エゴマ油 |
米、そば、うどん、餅、芋類 |
不足すると | 筋肉が付きづらく、落ちやすくなる | エネルギー不足、脳機能低下 | 筋肉を分解する、筋肉が落ちやすい |
食事管理アプリの紹介と使い方
摂取カロリーやPFCバランスの話をしてきましたが、これらを自身に当てはめて算出する必要があります。
また、「日々何を食べていて、そのバランスがどうなっているのか」を把握することも重要です。
そこで、今回は「カロミル」という健康管理アプリを選手一人一人に導入してもらい、食事管理ができるようにしました。
カロミルの特徴
カロミルの特徴としては、以下などがあげられます。
- 目標の摂取カロリーやPFCの数値を、個人で設定して入力することができる。
- 写真を撮ると、近い食品候補が出てくるので、選定したり管理がしやすい。
- 食品のバーコード読み取りもできる。
ワークを実施
次に、選手一人一人に今の体重をベースとして、以下を算出するワークを行いました。
- 1日の概算消費カロリー
- 1日の目標摂取カロリー
- PFCの目標内訳
その算出した数値をアプリの設定から入力してもらい、日々の食事で意識してもらえるようにしました。
まとめ
競技パフォーマンスを上げるためには、「ウエイトトレーニングの実施と合わせて、食事や栄養の管理も大事であること」を伝えさせていただきました。
選手の中には、「普段こんなに食べないといけないんだ」、「アプリ便利」という反応があり、自分ごととして捉えていただけたかなと思います。
Sharezでは、今後も積極的にスポーツ指導分野にも力を入れていきたいと考えております。
エリアや競技を問わず、スポーツに携わる多くの方に、専門的な技術や知識を提供し、よりスポーツを楽しんでいただきたいと思っております。
「部活動やスポーツチームでセミナーを実施して欲しい」というご要望がございましたら、「お問い合わせフォーム」よりお気軽にお申し付けください!